顧客は不安を抱えている
顧客が新しい案件を企画して、どこかの会社に業務を依頼する場合
よくコンペが開催されます。
コンペを開催した上で、各社から提案書や見積書を提示させて
どこの会社に新しい案件の業務をお願いしようか検討します。
あなたも法人営業を担当しているならば
何度かコンペの参加経験があると思います。
ただ、顧客側からすると
コンペを開催して依頼する会社を検討したとしても
いろいろと不安がつきまといます。
- 各社から提案書が提示されて
社内で比較検討した上で発注先を決定するのですが
果たして、その選択が間違っていないのか? - 提示された見積額を支払って
果たしてその対価がしっかりと得られるのだろうか?
営業マンであるあなたも
「受注できるかどうか」
という不安と戦いながらコンペに参加する訳ですが
顧客側も何かと不安を抱えています。
顧客側から見ると
あなたの会社の印象の大部分を占めているのが
営業マンであるあなたです。
仮に顧客からのあなたの印象が良くて
さらに提案書が高い評価を得ていたとしても
顧客の不安はゼロにはなりません。
- 「この会社に依頼したら、どんな担当者がメンバーになるのか?」
- 「どんな経歴の人がプロジェクトの責任者になるのだろうか?」
- 「営業の担当者は良いが、接点が営業だけで良く分からない」
など、心理的に不安な面があります。
これはおそらくどの業界でも、どの会社でも同じであり
特に営業マンが前面に出てコンペに参加する業界では
この傾向が強いと思います。
業界によっては、コンペのプレゼンの際に
営業担当者だけではなく
現場の責任者も同席してプレゼンに参加する業界もあります。
このケースなら、顧客から現場の責任者の顔が見えるので
多少現場の実力を見ることができます。
ただ、実際にプロジェクトが始まったら関与するであろう
各部署のメンバーまでは見ることができないので
やはり顧客の不安はなかなかゼロにはなりません。
では、この顧客の不安を
少しでも減らす方法は無いでしょうか?
仮に顧客の持つあなたの会社への不安材料がゼロにならなくても
競合他社よりも安心してもらうことはできないでしょうか?
顧客の不安を「安心」に変える提案書とは?
新規案件の業務をどこかの会社に依頼する際に
顧客が抱えている不安についてお話してきました。
では、その顧客の持つ不安を減らすためには
どんな方法があるのでしょうか?
それは・・・。
提案書の中に、プロジェクトに参加する部署の
責任者全員の顔写真を入れることです。
コンペの際にあなたが顧客に提出する提案書の中に
あなたの会社のメンバーの紹介をするのです。
しかも、顔写真付きで。
もう少し詳しく説明していきましょう。
まず、顧客から相談されているプロジェクトを仮に受注した場合
そのプロジェクトに関わる部署を洗い出します。
そして、その各部署の責任者となるメンバーの顔写真を
提案書に盛り込みます。
さらに、顔写真と一緒に
そのメンバーの実績も記載していきます。
それを1枚のパワーポイントにまとめるのです。
こんなイメージです。
これはあくまでもイメージなので
あなたの業界にマッチした実績紹介を入れてください。
場合によっては、業務的に関りが深くなる部署は
責任者だけでなく担当者の紹介も入れてもいいかもしれません。
とにかく、「どんな実績を持ったメンバー」が
今回のプロジェクトを遂行していくのかを
事前に顧客にイメージとして伝えていくのです。
しかも、顔写真付きなので、顧客側のモヤモヤした不安が
逆に「親近感」に変わっていきます。
おそらく顧客へのプレゼンの席で
「こんな方たちが担当してくれるんですね!」
と反応があると思います。
また、紹介したメンバーの過去の実績を紹介することで
「この方が以前やられていた業務、私もやっていました」
とか
「この方がいた会社に、私も以前いましたよ!」
など、何かしらの共通点が発見できたりと
思わぬところで親近感が芽生えたりします。
何よりも「相手の顔が見える」というのが
一番の安心材料です。
顔写真はスマホで撮ったもので十分です。
なるべく笑顔で皆さんの顔写真を撮りましょう。
あと、場所は、あなたのオフィスで撮ってください。
顧客が発注した後のイメージを持ってもらうのが目的なので
あなたのオフィスで撮ってください。
メンバーの顔写真と実績を紹介するだけで
提案書のイメージが格段にアップします。
まとめ
顧客から見た場合
営業マンのあなたがどんなに素晴らしい印象だったとしても
「実際に業務を行う現場の担当者は大丈夫だろうか」
という不安はなかなか消えません。
新しいプロジェクトの予算額が大きければ大きいほど
業務を依頼する会社選定は慎重になりますし
不安も大きくなります。
そこで、営業マンであるあなたは、ぜひ
「その顧客の不安をなるべく減らすような提案書作り」
を心がけてください。
具体的には、プロジェクトに関わるメンバーについての実績紹介を
顔写真付きで提案書に盛り込むようにしましょう。
顧客から見ると、親近感が湧いて
心理的にも安心感が芽生えてきます。
当然、発注前の顧客の不安がゼロになることはありませんが
メンバー紹介が全く無いよりは、絶対に効果があります。
ましてや・・・
競合他社の提案書には、そこまで詳細なメンバー紹介が無い場合は
あなたの会社が間違いなく頭一歩抜き出ることになります。
もし、コンペに参加した各社の提案書が
甲乙つけ難いほど接戦状態だったら
唯一メンバー紹介を事前に行なったあなたの会社が
選ばれるかもしれません。
営業のコンペで勝つということは
こういう細かい気配りを積み重ねて
顧客から選ばれるということです。
決して、他社の価格を下回って出精値引きをしたり
顧客をコソコソ飲みに連れ出して情報を聞き出すことが
コンペで勝つための手段ではありません。
ぜひ、顧客にとって魅力的な提案書作りを実践してくださいね。