コンペで連勝できる営業マンのイメージって?
あなたは営業コンペで連戦連勝できていますか?
「私はできています!」
と胸を張って自信満々で言い切れるならば
今回の私の記事は読む必要はないでしょう。
あなたは、そのままの営業スタイルで
引き続き新規案件をバリバリ受注していってください。
逆に
「いまいち、コンペで勝てません」
とか
「たまに新規案件を取れますが、受注率は低いです」
というように、コンペで今一つ高い勝率を残せていない営業マンの方には
多少なりともお役に立てる記事かと思います。
と、その前に・・・
あなたにちょっと質問です。
「コンペで連勝している営業マンってどんなイメージですか?」
あなたの業界にいる競合他社で
コンペでいつも勝っている営業マンや強者(つわもの)がいると思います。
そんな営業マンや強者に対して
あなたはどんな印象を持っているでしょうか?
・・・・
「きっと、顧客の担当者と長い付き合いで仲が良いはずだ」
「何かズバ抜けた提案書を作っているのでは?」
「飛び抜けた営業センスがあって、自分とは違う人種だ」
あるいは、ネガティブな見方をすると・・・
「あの営業マンはいつも価格を下げて値引きで受注しているはずだ」
「あそこは大手だから、何もしなくて受注できるんだ」
「どうせ顧客を接待漬けにしているんだろう」
など、様々な印象を持っていることと思います。
では、コンペで連勝できる営業マンは
本当にこのような人物なのでしょうか?
場合によっては当たっているケースがあるかもしれませんが
多くの場合は、あなたが想像しているようなズバ抜けて営業ができる人間でも
あるいは、セコい手を使って顧客から案件を受注している訳でもありません。
ちなみに私は、以前勤めていた会社で営業責任者を勤め
競合会社とのコンペで18連勝したことがあります。
私がその会社に行く前の、その会社のコンペ勝率は約20%ぐらいでした。
5件に1件受注できるぐらいのペースですね。
そんな会社でしたが、私が営業責任者として着任した後
幸いにもコンペで18連勝することができたのです。
ただ、決して、私にとんでもない裏技的営業ノウハウがあった訳でもありませんし
激安の値引き受注をした訳ではありません。
むしろ、他社よりも高額の見積額でコンペを落としていきました。
また、顧客にズブズブの接待攻勢をした訳でもありませんし
他社と同じようにアポイントをもらって面談していただけです。
それではなぜ、コンペで18連勝することができたのでしょうか?
具体的な例を上げながら、お話させて頂きます。
顧客への提案のチャンスを逃していないか?
顧客が新しいプロジェクトを企画して
発注会社の選定のためにコンペが開催されると
あなたは顧客の担当者と面談することになりますね。
そして、顧客との面談時には、相手の担当者から新しい案件の内容について
詳細な条件を聞くことになると思います。
プロジェクトの目的とか・・・
依頼したい業務内容とか・・・
希望のスケジュールとか・・・
細かい業務の条件とか・・・
あなたは顧客から提示されるこれらの詳細な条件を正確に把握するために
一生懸命メモを取ることでしょう。
場合によっては顧客側から提示された要件書に目を通して
今回の新規案件の全体像を把握します。
コンペで提案書を作成したり見積書を算定するためには
顧客からの要件を正確に把握する必要があるので
営業マンなら必須の行動ですね。
ただ・・・
実は、この顧客との面談時にあなたがどういった会話をするかによって
コンペで勝てるかどうかの大きな分かれ道があるのです。
あなたが相手の担当者と面談時にどういったやりとりをするかによって
そのコンペでの受注率が大きく変わってくるのです。
たとえ話で説明しましょう。
例えば・・・
顧客がこう言いました。
「今回のプロジェクトについて
条件Aについては、こんな感じで
条件Bについては、この資料の通りで
条件Cについては、スケジュールの関係でこのやり方で
条件Dについては、まだ社内で検討中なので
詳細が決まったら御社に連絡します」
そこであなたは何と言うでしょうか?
「承知致しました。
条件Aは○○で、条件Bは○○で、条件Cは○○ですね。
条件Dについては、御社で詳細が決まりましたら、改めてご連絡ください」
というのは、新人研修で習うような模範解答。
ぜひここで、顧客のためにもう一歩踏み込んでみてください。
具体的に話しますと
「条件Dについて、御社で検討中でしたら
何か検討の際にお役に立てるようなご提案をさせていただきましょうか?」
というような感じです。
顧客側で検討中ということは・・・
そう簡単には方向性を決められない様々な検討要因があることが
想像できると思います。
そんな話が出てきたら、ぜひ積極的にその話に乗って
あなたからの提案のチャンスにしてしまってください。
先ほどの例で言うと、前者の営業マンは
「御社で詳細が決まりましたら、改めてご連絡ください」
というように、いわゆる「受け身」の営業です。
そもそも「コンペ」というもの自体
「顧客からの声掛け」という受け身の状態からスタートしているので
その後の営業の姿勢も受け身になりがちです。
しかし、顧客の要件をそのまま言われた通りに受け取って会社に帰るのではなく
ぜひ、あなたから積極的に提案のきっかけを作ってください。
こういう小さな営業マインドが
競合他社にコンペで勝てるかどうかの分かれ道につながっていくのです。
顧客はあなたからの積極的な提案を歓迎している
先ほどの例の話の中には、2つのタイプの営業マンがいました。
- 条件A~Cまでを提案して、条件Dについては連絡を待っている営業マン
- 条件A~Cと、さらにプラスして条件Dについてヒントとなる提案をしてきた営業マン
この2つのタイプの営業マンでした。
そして、この両者の間には、顧客との関係構築について
大きな優劣の差が生まれてしまいます。
もし、あなたの会社が、条件Dについて何らかの提案をして
その提案が顧客の検討の大きなヒントになった場合
競合他社よりも大きなアドバンテージになることは間違いありません。
また、条件Dの提案がきっかけで
「もう少し詳しい話を聞かせてくれませんか?」
と、顧客側から別途、面談依頼を受けるかもしれません。
顧客にとっては、少しでも検討するための情報は多い方が良いので
ぜひ積極的にあなたの方から提案のきっかけを作ってください。
「こんな提案をこちらから持ちかけても良いのだろうか?」
と遠慮してしまうかもしれませんが
あなたからの提案が役に立つかどうかは、あくまでも顧客が判断する話です。
仮にあまり役に立たない提案だったとしても
「あの会社はいろいろと積極的に提案をしてくれる」
というプラスの印象を与えるとことができます。
そして、あなたが顧客に積極的に提案を行うと、おそらく顧客からは
「わざわざ、ありがとうございます!」
と感謝されることが多いです。
営業の段階で顧客からお礼を言われる・・・
顧客の方から「あなたに会いたい」と言われる・・・
正直、むちゃくちゃモチベーションが上がります!
そして、この瞬間が、提案営業を実践している営業マンが
やりがいを感じる瞬間です。
まとめ
顧客から声掛けされてコンペに参加する際は
なるべく積極的な姿勢で顧客へアプローチしていきましょう。
受け身であればあるほど、コンペでの勝率は低くなっていきます。
顧客が何か新しいプロジェクトを企画しているときは
必ずと言っていいほど顧客側には「悩み事」があるはずです。
そして、この顧客側の「悩み事」は
面談の会話中に隠されていることが多いです。
あなたは、顧客の「悩み事」をズバリ解決してあげることはできないかもしれませんが
積極的に提案する姿勢を顧客はよく見ています。
営業マンは、コンペ段階における会社の代表者です。
「この会社に業務を依頼したら、もしこの先に何かあったとしても
いろいろと提案して解決策を導き出してくれそうだ」
と顧客側があなたのことを評価してくれたら、そのコンペは勝ったも同然です。
明日の面談から実践してみてください。