ベテラン営業マンでも陥ってしまう勘違い
「すいません、新しい案件のご相談がありまして
詳細を話したいので今度弊社に来て頂けますでしょうか」
法人営業を行なっていると、顧客からこのような新規案件に関する相談メールをもらって
意気揚々と顧客のオフィスへ訪問することがあると思います。
営業担当者としては、新しい案件の相談で顧客へ訪問することは
次の新規受注につながる一番嬉しい引き合いなので
誰でもモチベーションが上がる瞬間ですね。
ひょっとしたら、コンペかもしれませんし、相見積だけかもしれませんし
あるいは逆にあなたの会社の単独指名かもしれませんが
新規案件の相談で顧客から面談を依頼されたことには変わりありません。
いつもなら、なかなか面談できない忙しい相手でも、顧客側からの面談依頼なので
堂々と面談することができます。
では、このような「最初の面談」において、あなたは顧客との面談時に
どのようなことを心掛けて面談しているでしょうか?
顧客から相談を受けた新規案件は、数社で行われるコンペかもしれません。
また、顧客側が声掛けした業者間で平等にコンペが行われるように
粗々の依頼事項や要件をまとめた資料をもらうかもしれません。
そんな中、あなたはどのような姿勢で顧客との「最初の面談」に挑んでいるでしょうか?
「他社よりも経験や知識が豊富なことをアピールしよう」
「過去の経験から、どうしたら最善の方法になるか提案していこう」
「顧客側が感心するような専門的な話でテキパキと答えていこう」
こんな声が多くの営業マンから聞こえてきそうです。
また、その業界経験が長いベテラン営業マンでも
こういった考え方で顧客と接していることがあると思います。
いかがでしょか?
正直なところ、私は、「最初の面談」のときにこのような姿勢で顧客と面談しても
真の提案営業を実践してコンペで勝ち続けることは難しいと思います。
なぜなら、このような姿勢では、一方的な顧客への営業トークに終始してしまい
せっかく顧客との貴重な面談の時間をもらっているのに
「顧客の真のニーズ」を正確に聞き出すことができないからです。
「私は知っている」
「私は過去の経験上、何でもアドバイスできる」
「顧客より専門的な知識が豊富だ」
と思っているベテラン営業マンほど
実はこういった傾向が強いのではないでしょうか。
過去の顧客との「最初の面談」において
自分の会話内容を振り返ってみてください。
あなたの目の前の顧客は、一体何を求めているのだろうか?
では、新規案件についての相談を受け、顧客との「最初の面談」においては
何を重要視すればよいのでしょうか・・・
それは「顧客の真のニーズ」を把握することです。
「顧客の真のニーズ」を把握すること・・・これに尽きます。
「一体、顧客は何を解決したいのだろうか?」
「顧客が本当に求めているサービスは何なのだろうか?」
「顧客が口に出していない隠れた本当のニーズは?」
「顧客が気づいていないニーズとは?」
「最終的に顧客はどうなりたいのか?」
・・・
このような目に見えていない「顧客の真のニーズ」を探ることが最重要です。
とくにコンペの場合は、各社に対して共通のフォーマットで
資料を提供することが多いですが、実はそこからすでに営業は始まっており
競合他社との戦いのゴングは鳴っているのです。
資料に記載してある内容の背景とは?
その資料には記載されていない真のニーズとは?
顧客自身も気づいていない要件とは?
このような「顧客の真のニーズ」を「最初の面談」でいかに聞き出せるか。
これがあなたがコンペで勝つためには非常に大切な第一歩となります。
なぜなら・・・
「顧客の真のニーズ」を顧客から聞き出すことによって
その後に作成する提案書や見積書のレベルの高さが全く変わってくるからです。
どんなに提案書を作成するスキルが高かったとしても
どんなにプレゼン能力が高かったとしても、あなたの提案内容が
そもそも「顧客の真のニーズ」を把握していない的外れな提案だったら
残念ながら顧客にとって価値の無いものになってしまいます。
つまり、「最初の面談」の段階で「顧客の真のニーズ」を把握できなければ
あなたが競合会社とのコンペで他社に勝つことは難しいのです。
ましてや、競合他社の営業マンが
あなたが導き出せなかった「顧客の真のニーズ」を把握して
そのニーズに対する提案をズバリ行なってきたら
あなたはそのコンペで敗退してしまう可能性が高いでしょう。
まとめ
顧客から新しい案件の相談があり、相手の担当者と「最初の面談」をするときは
とにかく「顧客の真のニーズ」に関する情報収集に徹しましょう。
「顧客の真のニーズ」を把握していないと、当然ですが
その後に作成する提案書や見積書が「顧客の真のニーズ」を
反映していないものになってしまうので
競合会社とのコンペで勝つことが難しくなってきます。
そして、この「顧客の真のニーズ」を把握するという大切な行動は
ベテラン営業マンでも忘れやすい傾向がありますので
新人営業マンはもちろんのこと、すべての営業マンの方に
実践してほしい考え方です。
あなたの会社1社だけに声掛けされているのなら
どう転んでもあなたの会社に発注が来ますが
法人営業の場合、大抵のケースでは数社に声掛けして
コンペで発注先を検討するはずです。
競合他社に勝てる提案営業をするための第一歩は
「顧客の真のニーズ」を把握することから始まる
ということを忘れないでください。
この「顧客の真のニーズ」を把握することを徹底するだけでも
あなたの会社のコンペ受注率はグンとアップするはずです。