会話はシンプルなキャッチボール
仮に今日が水曜日なら
「今日は、何曜日ですか?」
と聞かれたら、あなたは何と答えますか?
「今日は、水曜日です」
と答えますよね。
また、仮に今日が10日なら
「今日は何日ですか?」
と聞かれたら、あなたは何と答えますか?
「今日は、10日です」
と答えますよね。
こんな当たり前のような話なのですが
こんな当たり前の会話がなぜかできない方がいます。
例えば
「今日は、何曜日ですか?」
と聞かれているのに
「そういえば前週の今日は3日で、ちょうど水曜日でしたね。
いや~、なぜ、3日が水曜日って覚えているかって
実は、月初からとんでもないことがありまして
社内で○○が起きて、そうしたら・・・」
こんなトンチンカンな会話の例は極端ですが
でもあなたの社内にも
心当たりのある人がいるのではないでしょうか?
そして、そういう人は
「自分の話が会話のキャッチボールになっていない」
ことに気づいていません。
言いたいことを全部言いまくることのデメリット
先ほど、トンチンカンな会話の例をご紹介しましたが
残念ながら、営業マンでもこういうタイプの方を私は何人も見てきました。
とにかく自分の頭に浮かんだことをすべて羅列して話していく人・・・。
あなたは大丈夫ですか?
もし、営業で顧客との面談の場面で
このようなノリで顧客と会話をしていては
顧客はかなり苛立ってしまいます。
例えば、顧客が
「○○について実施可能かどうか」
について、あなたに質問をしたとします。
そこで
「いや~、実はその件については、こんな背景がありまして
社内的にいろいろ検討しているんですけど
こういう見解もあったり、逆にこうも言えたり・・・」
と、こんな返答をしていたら、顧客は心の中で
「で、だから、何が言いたいんだか、分からないよ!」
「この営業マンは、聞いた質問に答えてくれないな!」
と思ってしまいます。
これでは、顧客から信頼を得ることはできませんね。
顧客は「○○について実施可能かどうか」を知りたい訳で
あなたが頭の中にあるすべてのストーリーを
聞きたい訳ではありません。
情報をひとつ残らず話そうとする気持ちは分かりますが
学生の友達同士の会話ではないのです。
あれこれ背景や周辺情報を話されても、顧客からしたら
「うっとうしく、長ったらしく」
感じてしまいます。
今回の例でしたら
「○○について実施可能かどうか」
について質問されている訳ですから
「はい、実施可能です!任せてください!」
とバシッと一発で答えましょう。
また、もし、実施不可能な話でしたら
「すいません!その条件では難しいです!」
というように結論を端的に答えてください。
話をシンプルに伝えるコツ
話が長くてダラダラと情報を羅列して話してしまう人は
まずは、話をシンプルに話す習慣を身につけてください。
営業での面談場面では特に注意して
顧客の聞いてきている質問を理解して
返答すべき答えをシンプルに回答してください。
ただ困ったことは、ダラダラと話が長い人ほど
そういった自分に気づいていないことが多いということです。
もしあなたが、過去の顧客との面談場面で
頭に浮かんだことを次から次へと話している自分に
気づくことがある場合は要注意です。
また、あなたがしゃべり終わった後、顧客から
「ところで、さきほどの質問の答えはどうですか?」
と聞き直されたことがある場合も要注意です。
こういう場合は、実はあなたの話が長くて回りくどい返答を
している可能性があります。
気を付けてください。
では、話をシンプルに伝えるコツは
どのようにしたら良いのでしょうか?
それは
「まずは結論から言いきってしまう」
というクセをつけることです。
顧客が何か質問をしてきた場合、知りたいのは結論です。
その結論をまずは端的に言いきってしまいましょう。
もし、補足が必要なら、その後に間を置いて
「なぜなら、○○だからです」
という感じで、シンプルに答えましょう。
これで十分です。
おそらく、この「結論」と「理由」の2つを聞いた顧客は
その話をもとにまた考えていろいろ聞いてくるので
それにまた端的に答えていけば良いのです。
こういった会話のキャッチボールをしているうちに
顧客側にいろいろな気づきが生まれたり
新しい情報が引き出せたりします。
従いまして、あなたの話は
極力にシンプルに伝えるように努めてください。
とにかく面談は顧客が主役
顧客へ伝える話は
シンプルにしましょうというお話をしました。
特に顧客からの質問に対しては
「まずは結論を言い切る」
そして
「その理由を端的に補足する」
これで十分です。
これができない方は、おそらく
「顧客との面談は顧客が主役である」
という認識が薄いのだと思います。
いかに顧客に多くの情報を伝えるか
さらにはいかに顧客に納得させるか
そればかりが先走ってしまい、とにかく頭の中にある情報を
全部出し切ろうとしてしまうのです。
これでは「顧客が主役」になりませんし
他社よりも多くの情報を顧客から引き出すことはできません。
顧客との面談の場合は、あなたが会社を出て
顧客のオフィスに向かおうとした瞬間から
「顧客が主役」
ということを頭の中で何度も念じて、自分を洗脳してください。
「顧客が主役」ということが、頭に常に入っていれば
自分の話は自然によりシンプルになっていきます。
ただ、それでも、面談中に
何となくダラダラと話してしまいそうな自分がいるならば・・・
そんな時は、頭に浮かんだことをあれこれ話したくなっても
「グッと我慢」
です。
とにかく一度でいいから「グッと我慢」して
結論だけをシンプルに相手に伝えてみてください。
きっと、面談が終わった後
「何だ、こっちがそれほど話さない方が
いろいろな情報が聞き出せた!」
という体験をすると思います。
こういった体験を積み重ねて
徐々に習慣にしていってください。
習慣化には、実践あるのみです。